Bブルノ・コンセルバトワール

レオシュ・ヤナーチェク

指揮 トマーシュ・クレイチー

監督 クリスチアナ・ベルクレディ


舞台はブルノ・コンセルバトワールが、音楽祭ヤナーチェク・ブルノ2018の依頼を受け、ブルノ国民劇場の協力のもとで制作。 


チケット

ブルノ・コンセルバトワールは、レオシュ・ヤナーチェクがその設立に少なからず貢献した学校です。音楽祭の枠内で、同校の生徒たちが長編舞台を公演するのは初めてのことになります。ヤナーチェクの2つの初期作品、オペラ『物語の始まり』と、唯一のバレエである『ラコス・ラコッツィ』をお届けします。ヤナーチェク音楽アカデミー卒業生のクリスチアナ・ベルクレディが監督し、ラディスラヴァ・コシーコヴァーとフォークロア音楽団のフラディシュチャンとの協力での上演です。

バレエの『ラコス・ラコッツィ』は、当時の彼の作品全体に影響していた、民謡や民俗舞踊への作曲家の興味を反映しています。この作品は、ヴァラシュスコ、ラシュスコ、ハナー各地域の、例えばディマーク、キヨヴィー、ピルキ、シィルニツェ、ホルビチカ、セケレチカ等のような民俗舞踊をオーケストラ化した一連の作品に含まれるものです。これらの舞踊曲は民族学者のF.X.ビェハーコヴァーの研究を下地にしています。「1つの幕中に昔ながらの舞踊と歌が入るモラビア・スロバキアの風景」とサブタイトルがついたバレエ『ラコス・ラコッツィ』は、まさに首都で産業博覧会の100周年記念博覧会の行われていた1891年に、プラハ国民劇場で初演されました。インジフ・モシュナやエドワルド・ヴォイヤンなど、舞台劇やバレエの有名ソリストたちが出演した初演は成功を収めました。

オペラ『物語の始まり』を制作し始めたのは、バレエの制作を終えてすぐのことです。その素材に選んだのはガブリエラ・プライソヴァーの短編小説でした。しかしプライソヴァーは詩の形式をとるリブレットを書き換えることを拒み、リブレットはヤナーチェクのギムナジウム時代の同僚であるヤロミール・ティヒーが制作することになりました。ヤナーチェクはオペラを、人々が好むメロディー、つまり民俗的メロディーによって盛り立てられる、典型的で単純な物語の盛り上がりをもつボードビルと捉えていました。ですから、インスピレーションの多くはモラビアの村々で作曲家が収集した音楽にありました。『物語の始まり』は1894年にブルノで初演が行われ、この公演がヤナーチェク劇の当地で初めての舞台成功となりました。しかし彼自身はその当時既に『イエヌーファ』の作曲に取り掛かっており、演劇芸術の表現の真実についての彼の観念はもう、新しく、オリジナルな形を取り始めていました。それでいながら、村娘と若い男爵の不合理な恋愛を描いた、愛すべき素朴な『物語の始まり』は、民俗的バレエの『ラコス・ラコッツィ』とともに、作家の作品の中で興味深く重要な位置づけにあります。

パトリツィエ・チャーストコヴァー