ブルノ国民劇場ヤナーチェク・オペラ


作者: レオシュ・ヤナーチェク

指揮: オンドレイ・オロス

監督: ロバート・カーセン

脚本: パトリック・キンモス

衣装: パトリック・キンモス


ライセンスはフランドル・オペラ、アントワープ/ゲントにある。


ブルノ国民劇場ヤナーチェク・オペラによるカーチャ・カバノヴァーの初演は、昨年の音楽祭の目玉の1つでした。今年も舞台の上で、ヤナーチェクの才能と、現代最高のオペラ監督の1人であるロバート・カーセンが出会います。個性的なポエジーと、創作論に基づく綿密さ、情熱的でアクティブ、大きな感銘を与える舞台は、世界有数のオペラハウス、例えばミラノのスカラ座、ニューヨークのメトロポリタン・オペラ、イギリスのグラインドボーン音楽祭、あるいはコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラハウスで既に幾年にもわたり上演されています。カーチャ・カバノヴァーは、カーセンが手がけた5つのヤナーチェク・オペラのうちの1つであり、元はフランドル・オペラのために制作されたものでした。初演されて以降、全世界20箇所以上のオペラハウスで上演されており、舞台全体を覆う水面がカーチャの感情も悲劇的運命も映し出す、振付が魅惑的な舞台は、カーセン作品の中でも特に素晴らしいものに数えられます。

1919年初めに、レオシュ・ヤナーチェクがオストロフスキーの「雷雨」を新しいオペラのテーマとして考慮していたのは、彼の65歳の誕生日を目前にした時でした。それまでの3年で、ヤナーチェクの人生は大きく変わりました;漸く国際的に認められ、1917年の夏にはルハチョヴィツェで、彼の最盛期の数々の作品のインスピレーションの元となったカミラ・シュトスロヴァーとの出会いがありました。ロシア文学から題材を選んだことは何も驚くことではなく、オストロフスキーの『雷雨』を選んだのも十分な理由がありました。社会の慣習によって抑圧を受ける主人公カーチャの悲劇というテーマは、ヤナーチェクにとって近しいものだったからです。ヤナーチェクは「雷雨」のチェコ語訳を利用して1人でリブレットを仕上げ、またここに、オリジナルとは違う大きな変更を加えました-登場人物と幕数を減らし、とりわけ主人公のドラマに物語を集中させたのです。こうやって、心の奥底を測るような物語を持つ作品の1つが出来上がったのです。ヤナーチェクは全く初めての舞台、つまり世界初演をブルノ国民劇場に託しました。1921年11月23日、ナ・フラドバーフ劇場で上演されたのです。これは素晴らしい成功を収め、その1年後にはプラハで、その後直ぐに国外でも上演されました。

パトリツィエ・チャーストコヴァー